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DATE 2017/05/16Category: 遺品整理

相続放棄するなら、遺品整理してはいけないの?

悲しみが癒えないうちでも、実務的には色々とやらなければならないことが山積みです。多くの手続きは、できるだけすみやかに行うことが求められます。その一つが相続に関すること。しかし、慌てて遺品整理をして失敗するケースもあります。相続放棄する場合は遺品整理は慎重に。

一部でも財産を処分すると、
相続放棄できなくなります

相続放棄には相続の発生した日を起点として三ヶ月の熟慮期限があります。この期間内に相続放棄の手続きをとらなかった場合は「単純承認」と言って、自動的に相続を承諾したことになります。また、この期間内でも、故人の財産を処分すると単純承認されてしまいます。
もし負債が財産を上回る場合はマイナスの遺産となりますから、相続放棄した方が損がありません。財産がどれだけあり、負債がどれだけあるのか、明らかでないうちは遺品整理は少し待ちましょう。

まずは財産把握だけ。分割・処分はその後で

父に続き母親が亡くなって少し落ち着いた頃、昔話をしながら母の思い出のアクセサリーを三人の娘たちがわける…こんなシーンはよくあるでしょう。でも、手順を誤るとこれが問題になることがあります。例えば、法廷相続人が三人の娘だけでなく他にもいる場合。もし他の兄弟や、認知された婚外子がいるなら、娘三人だけで勝手に遺品をわけてはいけません。
また、大きな負債が見つかって結局相続放棄すると決まった時、既に財産を分割・処分していると相続放棄できません。まずは財産調査をしっかりしましょう。

常識的な範囲でなら、多少の物を持ち出すのは良い

四十九日法要の時に、形見分けをしたいという場合は多いです。遺産分割はまだできていないけれど、形見分けをしても良いのか迷われますね。この場合、財産と呼べない程度の多少の物なら、わけてしまっても問題になりません。例えば、故人の愛用していた万年筆や気に入っていた絵といったようなものです。ただし、売ってまとまったお金になるものはNGです。貴金属、骨董、高級時計などは、これも立派な相続財産です。

賃貸物件の退去を求められている場合は?

相続放棄するかどうか決まっていないが、故人が契約していた賃貸物件から退去しなければならないという場合も、家財道具を売り払ったりしてはいけません。倉庫をレンタルするなどして、一時的に荷物を移すしかありません。

明らかなゴミは処分しても良い

それでは相続するかどうか決めるまで、故人の物は何から何まで保管義務があるのかというと、そうでもありません。財産ではない明らかなゴミは処分することができます。財産調査が終わって分別ができれば、不用品回収業者や遺品整理業者を使って家丸ごと片付けるといったこともできます。

まとめ:相続前の遺品整理は慎重に!

遺産相続は、範囲を選ぶことができません。相続するなら負債も全て負い、相続放棄するならテレビひとつだって持ち出すことはできません。退去の必要があって業者を利用する場合、不用品の回収であれば問題ありませんが、不用品の買取になると売却したことになり、相続放棄できなくなる恐れがあります。実際にひとつひとつの物の価値を判断しなければ、なんとも言えないので、無料見積もりを利用して価値のあるものをよけてしまうというのも一つの手でしょう。

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